治療の実際 3、抜歯


3、抜歯 編  抜歯の時に配慮していること


 ふだんはできるだけご自分の歯を長く使えるよう手をつくしていますが、それでも歯を抜く場合があります。当医院で歯を抜くのは「歯を残しておくことの方が害が大きい場合」、もしくは「歯を抜く方が利益が大きい場合」です。

 歯を抜く際はただ痛くなく抜ければ良いようですが、抜く時にどんな配慮をしたかで、まわりの歯の寿命や入れ歯になった時の入れ歯の安定性などに、後になって違いが出てきます。

 掴んでまっすぐ抜ける場合はいいのですが、そうでない時には、抜く歯を削っていくつかに分割して抜くこともよくあります。それは、抜く歯は削ってでも周りの骨を傷つけないことの方が大切だからそうしています。歯の周りの骨をたくさん削れば、抜いた後でその場所の骨がやせてしまい治りの状態もあまりよくありません。


 歯が抜けた後は、麻酔がまだ効いているうちに、良く見える両隣の歯の深い部分の歯石を取ったり歯槽膿漏の処置をしたり、周りの歯が長持ちするようできるだけのことをやります。さらに、抜いた場所の歯ぐきがやせないようにする処置なども行います。特に歯ぐきがやせないようにする処置は、抜歯する時にやっておくことが大切です。


 また抜いてしまって歯がなくなると困る場合には、あらかじめ仮の歯を作っておいて、歯を抜いたその場で仮の歯をお入れすることも行っています。


 親知らずは、腫れたり、虫歯になったりで抜くことがあります。また1本手前の歯を長もちさせるために害のある親知らずを抜くという場合もあります。レントゲンではよく見えなかったところに虫歯が出来ていたり歯槽膿漏が進んでいたりしていることもありますので、親知らずを抜くだけにせず、抜いた時に1本手前の歯をよく観察して、同様に深い部分の歯石を取っておく、虫歯の処置をしておくなどが、残る歯を長持ちさせるために大切です。


 歯を抜くという体を傷つける治療は、歯が抜けた後に、傷つけた以上の大きな利益がなければいけません。周りの歯や骨や歯ぐきを、抜歯前より、より良い状態にできるようにと考えています。 

 

当院は自由診療のみとなっています。当院で抜歯を行なう場合の費用は、歯の状態により再診料と合わせて19,800円から36,300円(税込)です。

リスク:術後の痛み、腫れ、出血などのリスクがあります。

マツモト歯科医院 東京都大田区千鳥1-10-5、電話:03-5700-1444  院長 松本 理(まつもと わたる)1954年(昭和29年)神奈川県川崎市生まれ、1977年東京都立大学理学部数学科卒業、 1979年東京医科歯科大学歯学部付属歯科技工士学校卒業、1986年大阪大学歯学部卒業、1989年(平成元年)8月マツモト歯科医院開設